観戦記 8/27(土)本戦1回戦 HackingBox vs YELL-カルサバ-
◆ peca勢のリレー本戦初陣は「HackingBox」チーム!
4チームがリレー将棋に出場し、ほぼ全チームが予選突破を果たした今年のリレー将棋。
本戦1回戦にまず登場するのは「HackingBox」です。
HackingBoxメンバー紹介
中継配信をするのは、すっかりLoL配信者になってしまったニノンさん。
まずはHackingBoxの予選勝ち上がりを確認するところからスタートです。
ニノン「えーと、1戦目は・・・」
ニノン「2戦目は・・・」
ニノン「・・・3戦目・・・」
ニノン「じゃあなにもしてねえじゃん」
HackingBox、今回こそちゃんと将棋は指せるのか!?
◆ 1将やくたみ、作戦通り?の三間飛車。
1将を務めるのは今回もやくたみさん。
戦型選択が注目されましたが・・・
やくたみさんはまさかのノーマル三間。
半袖さんによると事前の作戦通りのようです。
以下、1将で早くも穴熊に籠り、相穴熊となりました。
(控室に戻ってきたやくたみさん)
どうやら作戦通りの三間飛車ではなかったようですが、実戦例もありそうな相穴熊の形になりました。
タスキは2将のいまいさんへ。
◆ 相穴熊らしいジリジリした駒組が続く。
2将いまいさんの相手はR1900弱の強豪。
本局のマッチアップはどちらか一方がRで大きく上回るターンはありませんが、この2将が一番レートが離れています。
形勢をなるべく維持して3将木箱さんにまわしたいいまいさん。
相穴熊らしい固め合いの将棋となりました。
さらにそこから10手ほど進んだ局面。
まだ将棋は動きません。
先手YELLカルサバの主張は5筋の位。
中央を制圧しつつ、どこかのタイミングで▲5四歩の突き捨ても狙っています。
対して後手は石田流の好形を組み上げましたが、5一にいる角がやや使いづらいのが悩みどころ。
どこかで△7三角と上がり捌きを狙っていきたいところです。
いまが仕掛けどきと見たYELLカルサバ。ここで▲7五歩と仕掛けてきました。
対していまいさんは△4五歩と飛車の横利きを通します。
以下▲9五歩△7五歩に相手が▲7五同銀と出た瞬間に△6五歩。
狭かった飛車の利きが一気に4段目全体にひろがり、懸案の角も使いやすくなった印象です。
以下▲8六銀△7三角▲7七角と両者角を好位置に移動。
そして2将ラストの60手目は△3六歩の仕掛けでした。
▲3六同歩なら飛車の横利きが止まり後手が大駒を使いやすい展開に。
▲3六同飛なら飛車交換から飛車を先着できます。
しかしここはそれ以外の手もいろいろ考えられなければならない局面です。
ということで、やっぱりいろいろ別れのある局面のようです。
私の手持ちのAperyは▲2四歩なんかも読んでました。
評価値的にはどの手も後手有利-300くらいに振れているので、いまいさんの最終手△3六歩がやはり機敏な一着で、ここでは後手やや有利の流れにたっていたようです。
◆ 3将木箱さん、有利を維持したまま4将DoGさんへリレー!
△3六歩への応手は一番シンプルな▲3六同歩でした。
以下△7六歩▲6八角△5五角と控室の検討通りに進みます。優秀。
あ、ちなみに木箱さん本日の登場は「ケンブリッジ飛鳥」でした。
面倒くさいのでもういちいち突っ込みません。
以下、細かい応酬がまだまだ続きます。
後手の木箱さんは△1九角成と先に馬を作ることに成功しましたが、先に香を逃げられたため空成りに。
しかも先手は▲3七歩とフタをして飛車成りも許さない徹底抗戦。
対して木箱さんは飛車を5筋に振りなおして揺さぶりをかけていきます。
そしてしびれを切らした先手は▲2四歩の決断の捌きに出ました。
△2四同歩▲同飛△同飛▲同角の局面は3三の桂取りになっており忙しい局面ですが・・・
木箱:△3二歩
木箱さんの応手は辛抱の歩打ちでした。
たしかに打たれてみると先手は角の使い道が難しく、3七に歩を打ってしまった影響で桂頭を攻めることもできません。
これは相手の方も読んでいなかったでしょう。
以下、両者残りの桂香を取り合って木箱さんが△7七歩成としたところで交代となりました。
駒割りは五分ですがと金を払った後の手番は後手。
▲5三角成を受けてまったり行く手、飛車を下ろして積極的に攻めていく手など選択肢が多く、依然後手のHackingBoxが主導権を握っているといってよいでしょう。
勝負の行方は4将DoGさんに託されました。
◆ 4将DoG、狂犬になりきれるか!?それとも・・・
4将DoGさんの相手は基準R1652。
基準R1655のDoGさんとはほぼ互角ですが、現在のDoGさんはR1300台と決して本調子ではありません。
91手目▲7六同銀引と形よくと金を払った先手に対し、DoGさんの初手は△2一歩でした。
控室の木箱さん指摘の一着で、▲同龍に対し△2五飛と龍を消す手を狙っています。
実戦もその通りに進み、以下▲同龍△同馬▲5三角成と進みました。
龍を消すことはできましたが、先手はお荷物だった角を捌けて十分な勝負形に。
というかもうどっちが良いのかわかりません。
そしてここでさらに不測の事態が。
したらば掲示板がサーバーダウンし、ニノン配信はここからレスなしでの中継となってしまいます。
カルサバ相手にオモサバだったかー
解説もそこそこに掲示板の代替手段を探すpeer将棋部の面々ですが、代替手段は難しそう。
とかそんなこと言っている間に、先手カルサバ4将が厳しい一着を繰り出します。
先手の飛車打ち下ろしに△5一歩と受けた場面。
ここで▲7三歩が急所の歩打ちでした。
△同金の一手にさらに▲8三香。
△同銀なら▲7一馬。本譜の△同金なら▲6三馬で、どちらにしても金銀を1枚剥がされていしまいます。
ソフトの評価値的にはこの局面でもまだまだのようですが、戦っているのは人間同士。
流れとしては完全に先手ペースです。
以下、DoGさんも敵陣の龍を引き付けて必死にまぎれを求めます。
その後もDoGさんに明確な悪い手はありませんでしたが、この日は相手の4将が冴えてました。
攻め駒を1枚ずつ足していく確実な手を積み重ね、先手玉に迫られる隙を与えませんでした。
見ての通り、先手玉は4枚穴熊の手つかず。
こうなると相穴熊戦はなかなか手番がまわってきません。
以下、このあとも80手ほど手が続いたのですが、結局勝負形をつくることはできず193手で先手の勝ちとなりました。
(省略でスミマセン)
◆ HackingBox、本戦1回戦で無念の敗退。
1将:やくたみ
4将:DoG
2将いまいは将棋から離れ裏白へ潜り、3将ケンブリッジ飛鳥は次の五輪へ向け高地合宿へ向かいました。
それぞれの道を歩み始めたHackingBoxの面々。
バランスは非常によく取れたチームだっただけに、来年もし再結成されるときは必ずや今年以上の結果を残してくれるでしょう。